「命の限り頑張る」審理差し戻しに奥西死刑囚(読売新聞)

 名張毒ぶどう酒事件の再審請求で、奥西勝死刑囚(84)(名古屋拘置所在監)の再審を開始するか否かの審理を名古屋高裁に差し戻した最高裁決定を受け、弁護団は6日、奥西死刑囚と面会し、結果を報告した。

 「良い結果が出てうれしい。一日も早く再審をしていただき、冤罪(えんざい)が晴れるまで頑張ります」。事件発生から49年。奥西死刑囚は安堵(あんど)の笑顔をみせたというが、最終的な司法判断の時期はまだ見通せない。

 最高裁決定は5日付。再審開始決定を取り消した2006年12月の名古屋高裁決定を再び取り消したもので、この決定により、死刑の執行が停止される。弁護団は6日、名古屋拘置所の面会室で、奥西死刑囚に決定の内容を説明した。弁護団によると、奥西死刑囚は青色のセーターに灰色のズボンで現れ、顔色は良かったという。最初は状況を理解できず、きょとんとしながら、「どうなるんですか」と聞き返したが、小林修弁護士(57)と鬼頭治雄弁護士(38)が状況を説明すると、「勝ったんですか」と穏やかな笑顔を見せたという。

 2003年には胃がんが見つかって胃の3分の2を摘出し、おかゆ中心の食事になっているという奥西死刑囚だが、面会した支援者で特別面会人の稲生昌三さん(71)が「いよいよですよ」と話しかけると、奥西死刑囚はぐっと身を乗り出し、「わしも頑張る。命の限り頑張る」と応じた。

 この日、名古屋市の愛知県弁護士会館で記者会見した鈴木泉弁護団長(63)は「再審無罪に向けて光が差し込んだ。大きく前進した」と笑顔をのぞかせた。ただ、審理が名古屋高裁に差し戻された点については、「奥西さんは40年以上にわたって拘束され、死刑の恐怖にさらされている。凶器について疑問があることが明らかになったのだから、最高裁が自ら再審開始を決定するべきだった」と不満も漏らした。

 一方、最高裁決定が、農薬の「ニッカリンT」の再鑑定を改めて求めている点について、鈴木団長は「事件当時の条件での再鑑定は、現実に相当困難だったので試みなかった。今から検討を始める」と慎重に言葉を選んで答えた。ニッカリンTはすでに製造が中止され、再鑑定には困難が予想される。

 ◆名張毒ぶどう酒事件◆

 1961年3月28日、三重県名張市の公民館で開かれた会合で、ぶどう酒を飲んだ地域の女性5人が死亡、12人が中毒症状を起こした事件。奥西死刑囚の妻と愛人が死亡し、奥西死刑囚は捜査段階で、三角関係を清算するためぶどう酒に農薬のニッカリンTを入れたと自白したが、起訴前に否認に転じ、公判では無罪を主張。1審・津地裁は64年、自白の信用性を否定して無罪を言い渡したが、2審・名古屋高裁は69年、逆に死刑を言い渡し、72年に最高裁で確定した。

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